東証一部上場IT企業から未経験畜産業界への転職日記

未経験者が畜産業界に転職するとき、参考になれば幸いです

豚を出荷する前にやること  勤務開始13日目

どうも、こんにちは!

IT豚野郎です。

 

実際の勤務開始から一人前の豚飼いになるまでの日々を綴っていきます。

 

 

本日は出荷について話していきます。

 

■出荷と体重測定

出荷する時はですね、当然農場によって違うと思うんですが、

うちは一頭ずつ体重測定をしてから出荷します。

 

『なぜ今更、体重測定?』『肉になるんだから一緒じゃん?』的な意見を感じますが、

違うんですよ。出荷時こその体重測定なんですよ。

 

なんでかと言うと、豚肉 は格付けというものがありまして、美味しいとか美味しくないとか以前に、見た目や重さや色々の項目で【特上・上・中・並・等外】っていう格付がされます。

牛で言うとA5とかみたいな感じですね。

 

で、格付によって値段が変わるわけで、"上”の中で収まる大体の重さというのがあります。重たすぎても軽すぎても駄目になっちゃうので、そこの重さの中で収まるように一頭ずつ体重測定をしてから出荷しています。

 

重い≒肉がいっぱい取れる、なので重い奴を出荷したいところですが、重すぎてもダメってのがなんだか謎です。

噂では重すぎる(でかすぎる)と、屠畜場の人の手間がかかるから、解体しやすい大きさの奴を"上"、それ以上の奴は格付を下げるそうな…

もし詳しい人がいたらコメントください。

 

閑話休題

ちょっと調べた感じ、牛は重過ぎるとかって制約なさそうなんだよなー。

生体重量に対する肉の量だけで格付が決まるみたいなので、ちょっとずるい感じがするぜ。

世界に誇る和牛だからひいきされてるのかも知れん。

 

 

はい、本筋に戻りまして、まぁ体重測定といっても農場によって違いがあるようで、複数頭一緒に体重測定をする農場や、全く体重測定をしないところなんかもあるそうです。

とは言え、費用対効果面もそうなんですが、折角丹愛情込めて半年かけて育てたので、ベストで綺麗な状態で出荷してあげたいと思うのが人情なわけです。

なのうちはお金の面と人情の面と両方から体重測定してます。

おいしくなれよー。高い値段で売れろよー。

 

 

 

■実際の計り方

じゃあ体重測定をどうやってやってるかって言うと、うちは結構アナログです。

普通に豚を体重計に案内して、乗せます。どーん!

 

で、オッケーだったらそのまま部屋の出口へご案内、ダメだったらあとどれくらいで規定体重になるか印つけて部屋に戻す、みたいな流れです。

んでその日に出荷したい頭数になるまでそれを繰り返していきます。

 

ちなみに体重測定のことを"かんかん"と呼んでいます。

(うちだけか?)

 

調べたら看貫秤(かんかんばかり)から来ているそうです。

ってか看貫秤っていう言葉自体、初めて聞いたんだけど…

これは常識なのか?製造業の言葉か?

ん~…なんかそういう業界では普通に言うらしいです。

 

ちなみに体重測定のタイミングですが、出荷直前にやってそのまま出荷する場合と、明日や後ほどの出荷の準備の為に体重測定だけする場合があります。

で、後ほどの準備の場合は、結構細かく分けて印つけます。

ざっくりなカテゴリとしては、

・既に上の基準を超えちゃった奴

・なるべく早く出荷した方がいい奴(今なら上だけどあと少し育つとやばい)

・そろそろ出荷してもいい奴(いい感じの体重、もうちょい増えてもリミットまでは余裕ある)

・もうちょっと太らせた方がいいけど出荷許容範囲だよなぁって奴

・まだ規定体重に達しない奴

です。(うちの場合はね)

 

細かくわけると、このカテゴリの中でさらに1kg差で目印をつけたりします。

んで、次の日とかに実際に出荷をします。

 印付けたのの中から今日出さなきゃな奴を出荷して~、次に大きい奴を出荷して~、数日余裕あるやつはもうちょい寝かせて~、的な流れっすね。

なので予め計っといたほうが順番にでかいやつから出せるので経済効率は高くなります。

 

 

■出荷の流れ

体重OKな奴らの実際の流れとしては、

部屋から出す→出荷台まで連れて行く→そこからトラックの荷台に乗せる→ばいばーい。

な感じです。

 

さくっと書きましたが、実際は豚も結構嫌がります。だって慣れたお家とさよならですもの。いきなり家から出されたと思ったらよくわかんない場所に連れて乗せられて、それがいきなり動くんだからそりゃ恐怖っすよ。

 

人間で言えば高校生くらいまで家から一歩もでなかったのに初めてのお出かけでいきなりジェットコースターっすわ。怖いぶー。間違いなくトラウマだぶー。

 

まぁそこは『ごめんね、美味しいお肉になってね』って思いながらトラックまで押し出します。

ところで、見てるとですね、やっぱりまるまる太ってる奴はですね、

おいしそうなんですよ。ちょっとお腹が空いてきます。

 

これも農場によるんでしょうけど、うちは朝一と昼前と夕方くらいで出荷します。

そしてですね、お昼前ぐらいの出荷はすげえお腹すくし、美味しそうなんです。

やべーっす。ぐうぐうです。終わったあとのお昼のお弁当が自分のとこの豚だった日にはもうひゃっほうっすよ。

だってうちの豚、マジでうまいんだもん。うまいから転職を決意したといっても過言ではない。

 

 

■その後は掃除!!

そしてトラックが出発した後は通路を洗います。めっちゃ洗います。

これもいつものごとくブランチカバレッジ、statement 100%の全潰しチェックです。

うおーーーーー!!!

 

 

■出荷された後の部屋

だんだん仲間たちが出荷されていく部屋は徐々に閑散としてくるわけなんですが、そうすると餌を食べる競争相手がいなくなるので残った奴らはガンガン太りだします。

ので残った奴らもまあ近しいタイミングでどんどん出荷できるわけです。

で全部出荷しちゃったら部屋全体をめちゃくちゃ綺麗に洗います。

ぴっかぴかにした後、消毒して1週間とか2週間とかおいて、次のまだ若い豚ちゃん達が入ってくるわけですね。

そしてまた4ヶ月ぐらい育てて出荷っていう流れになります。

 

※分娩舎で3週間、離乳舎で1.5か月、肥育舎で4か月、みたいなイメージです。

 

今日は出荷の流れなのでこんなところで。

また明日は格付けとかはちょっとと畜場に出荷された後の話とかその辺を書いてみたいかなと思います。

 

 

ってことで本日の業務はこれまで!

また明日もよろしくお願いします!